中国で流通する偽物商品を撲滅するICO企業がシンガポールで誕生?

前回の記事では、スウェーデンにおいてビットコインが債務返済に使えるようになったことを紹介しました。
今回は、中国で流通する偽物商品を撲滅しようとしているシンガポールのICO企業を紹介します。知的財産権の軽視が社会問題になっている中国で、ブロックチェーンを使って偽物商品をなくそうとしている取り組みを解説します。

 

オンライン上でコンテンツが無断で拡散する時代

インターネット時代に入り、「個人がメディアを持てるようになった」と言われています。
従来であれば、商品やサービスをマーケティングするために広告代理店などを経由して、テレビやラジオ、新聞、雑誌などに広告を掲載する必要がありました。
しかしながら、現在はFacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャル・ネットワーキング・メディアが発達しているため、無名の個人でもインフルエンサーとして影響力を行使することができるようになっています。
また、プロ・ブロガーと呼ばれる人も一定数存在しており、自分のブログで情報発信するだけで月収数千万円を達成するケースも出始めています。
一方、これらのオンライン上のコンテンツは、無断でインターネット上に拡散することがあり、勝手にビジネスに利用されていることも少なくないと言われています。
インターネットの登場によって、個人でも広告代理店を通すことなく自分でマーケティングすることが可能になりましたが、同時に本人の知らないところでコンテンツが無断盗用されるリスクが高まっていることになります。
オンライン上のコンテンツだけではなく、商店などで販売されている商品についても版権や知的財産権を無視してビジネスに利用されることがあり、発展途上国を中心に問題になっています。
世界第二位の経済大国になった中国では、多くの偽物商品が国内で出回っており、大きな社会問題として捉えられています。
中国政府は知的財産権をないがしろにした行為を取り締まろうとはしていますが、すべての商店を当局が見回ることはできないため、イタチごっこの様相を呈しています。
今回紹介するICO企業である「WaBi」は、中国における偽物商品を撲滅する新しいプラットフォームを提供しようとしています。

 

乳児用製品やアルコール製品などの偽物商品を検知

WaBiはシンガポールで登記を行っているICO企業ですが、経営陣や開発陣の多くは中国人で固められています。
WaBiは2017年11月27日から2018年1月27日までの間でICOを実施する予定になっていましたが、仮想通貨の売れ行きが好調だったのか既にICOは完了したことをウェブサイト上で説明しています。
WaBiは偽物商品を検知するための手始めとして、中国の乳児用製品に焦点を当てる予定になっています。
中国では品質がよくない粉ミルクが出回っており、表示と異なる成分が使われていることがあります。残念ながら、それを飲んだ乳児が死亡するケースがあり、大きな問題になっています。
WaBiはまず乳児用製品を攻略し、その後でアルコール製品などの偽物を検知する予定にしています。
アルコール製品については、実際のアルコール度数と表示が違っていることで体調を壊すケースがあり、偽物商品が出回ることで健康に害を及ぼす人が出てくる可能性があります。
2018年以降、WaBiは薬などの製品についても偽物を検知するためのサービスを開始する予定になっています。
偽物商品が世界一多いとも言われている中国において、WaBiは2018年まで集中してビジネスを行い、2019年以降中国の外にも目を向け、世界中で偽物商品を撲滅するためのサービスを展開するとウェブサイト上のロードマップで説明しています。

 

特殊なラベルを商品につけて保護

WaBiの利用者はスマートフォンからアプリをダウンロードし、それを使って偽物商品を見極めることができるようになるとWaBiは述べています。
また、商店側はWaBiが製作しているWalimalラベルと呼ばれる特殊な保護ラベルを商品につけて、正規ブランドによって製造された本物の製品であることを確認できるようになる予定です。
WaBiのサービスを受けるためには、WaBiトークンを購入する必要がありますが、ICO終了予定日だった2018年1月27日が来る前にWaBiトークンはすべて完売しています。
今後、WaBiトークンが仮想通貨取引所で売買されるかどうかは未定のようですが、偽物商品から解放されたい人から一定の需要がある仮想通貨になることが予想されています。

次回は、すべての投資判断を人工知能で行う金融サービスを提供するカナダのICO企業を紹介します。
人間の判断が入らない人工知能は、感情的に金融取引を行うことがないため、合理的な投資行動を取ると言われていますが、実際にどのような手法が使われているかについて、詳しく解説する予定です。

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