大手が続々と参入しているマイニング競争で日本企業は勝てるのか?

大手が続々と参入しているマイニング競争で日本企業は勝てるのか?

前回の記事では、新たなマイニング大国の座を狙っているロシアについて、さまざまな動きをご紹介しました。

今回は、大手が続々と仮想通貨のマイニング事業に参入を表明している日本企業の状況について解説します。仮想通貨売買は盛んな日本ですが、マイニングの分野で企業がどのような戦略を立てようとしているかなどについてもご紹介します。

 

国内大手3社がマイニング事業に参入を表明

2017年はビットコイン価格が高騰した1年でしたが、年の後半は分裂が繰り返されました。

ビットコインは中央管理型のブロックチェーンではないため、関係者の利害がぶつかってしまうと分裂という事態を引き起こしやすい仕組みになっています。

ビットコインのコミュニティでは、主要なマイニング業者や大手仮想通貨取引所が強い影響力を持っていますが、現状では多くが中国勢になっています。

そんな中、日本国内の大手企業3社がマイニング事業への参入を表明し、中国勢が圧倒的な発言力を持っているビットコイン・コミュニティに揺さぶりをかけようとしています。

マイニング事業への参入を明らかにしたのはGMOインターネット、DMMコム、SBIホールディングスのインターネット関連企業であり、日本国内で既に高い知名度を持つ組織です。

この3社は日本において仮想通貨取引所を展開する予定にしており、同時にマイニング事業にも進出して、多角的に仮想通貨ビジネスに取り組もうとしていることになります。

 

日本勢は高い技術で勝負をかける?

2017年に入ってマイニング事業に参入を表明した日本勢ですが、タイミングとしてはかなり後発組に入ります。

仮想通貨のマイニングを行う場合、高い性能を持つ画像処理半導体が入ったコンピューターを利用する必要があり、これらの機材を冷やすための電気代が多額になる傾向にあります。

高度なテクノロジーが組み込まれた機器を購入して、莫大な電気料金を支払って仮想通貨のマイニングを行うためには、大手企業の安定した資金供給が必要になっています。

ビットコインのマイニングに個人が参入できなくなっている背景として、専門のコンピューターと冷却装置を準備できなくなっていることがあるのです。

また、2017年になって日本の大手3社が仮想通貨のマイニング・ビジネスに参入を表明した理由として、ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコイン価格高騰があります。

2016年まではアルトコイン価格がそれほど上昇していなかったため、業者がマイニングを行って仮想通貨を手に入れても採算が合わない可能性が高く、旨みのあるビジネスと考えられていなかったのです。

2017年にビットコイン価格が一時20,000米ドルを突破し、アルトコインもビットコインに引っ張られる形で価格を上げたことから、アルトコインをマイニングすることで収益につなげられると日本企業が判断したことになります。

2017年9月、GMOインターネットの熊谷正寿社長は仮想通貨のマイニング・ビジネスに関して、「テクノロジーでは負けない自信がある」と強気の発言をしています。

GMOインターネットは、2018年6月までに最大で100億円の資金を投入して、仮想通貨のマイニングを行うための設備を調達する予定になっています。

また、海外の企業と連携して新しい半導体チップを組み込んだ機器を開発することになっており、これが実現すれば同じ電力で従来の2倍のマイニング性能を達成できるとしています。

DMMコムの川本栄介仮想通貨事業部長は、「マイニングに必要となる機器を仕入れる際の費用や電気料金を抑えるための方策を講じる予定であり、短い時間で投資した資金を上回る収益を計上できると考えている」とコメントしています。

2017年10月、SBIホールディングスは持ち株会社「SBIクリプト・カレンシーズ」を設立する予定であることを明らかにし、グループの仮想通貨関連ビジネスを取りまとめる方向性を示しました。

SBIクリプト・カレンシーズは、マイニング事業だけではなく、仮想通貨を発行して資金を調達するイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の支援、仮想通貨のデリバティブ取引市場の設立なども手掛ける予定になっています。

仮想通貨のマイニング・ビジネスに大きな期待をかける日本の3社ですが、実質的にマイニングを始めるのは2018年からになります。

2018年以降も仮想通貨の上昇基調が続けば、マイニング事業の採算が取れる可能性が高くなります。一部ではバブルと指摘されている仮想通貨価格の行方が、日本企業の命運を握っているとも言えます。

次回は、ビットコイン発祥の地であるアメリカでの最新マイニング事情をご紹介します。

2008年にサトシ・ナカモトがビットコインに関する論文を発表し、2009年から実際に仮想通貨の開発が始まったアメリカにおけるマイニングの今を詳しく解説する予定です。

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