ビットコインがスウェーデンで債務返済に使えるようになった?

前回の記事では、ジブラルタルで登記された医療サービスを提供しているICO企業について紹介しました。

今回は、スウェーデンにおいてビットコインが債務返済に使えるようになったことを説明します。キャッシュレスが進んでいる社会であるスウェーデンにおいて、債務返済手続きの効率化を進めようとしている取り組みを解説します。

 

強制執行を行う国の機関がビットコインを活用

借金が返せなくなった場合、多くの国では裁判所などの司法機関が強制執行を行い、債務者(借金をした人)の資産を差し押さえ、現金などに流動化した上で債権者(お金を貸した人)に変換する手続きが取られます。

また、税金などが支払えない場合、土地や建物などを物納の形で国や地方公共団体に提供するケースがあります。

今回紹介するスウェーデンの場合、現金ではなくビットコインで払えない税金などを賄うことができるようになりました。

2017年10月、スウェーデンの強制執行機関が債務の支払い方法としてビットコインを取り入れる発表を行い、「これによってさまざまな問題解決が図れるようになる」ともコメントしました。

借金が返せなくなった債務者や税金が払えない人が出てくると、司法手続きを行った上で、債務者の自宅やオフィスなどにある貴重品を差し押さえる必要が出てきます。

ただ、強制執行を行って差し押さえ手続きをするためには人件費や諸経費が必要になり、行政側にとって多額のコストが発生します。

税金が払えなくなった人がビットコインで納税してくれれば、インターネット上ですべての手続きが完了し、行政コストを安く抑えることが可能になります。

また、ビットコイン決済であれば、銀行システムを経由することなく資金の移転を行うことが可能で、債権者が債務者の銀行口座を探し回ったりする必要がなく、強制執行手続きも大幅に簡素化されることになります。

 

国に支払われたビットコインはオークションで売却

スウェーデンの強制執行機関は、2017年10月に債務が支払えなくなった国民からビットコインを実際に受け取り、専門の業者にアウトソースする形でオークションにかけてビットコインを売却し、法定通貨に換金しています。

この措置は例外的であり、今後類似の形で国民からビットコインが納められた場合、どのように手続きするかは未定のようです。

2017年12月にビットコイン価格が20,000米ドルを突破するなど、2017年は仮想通貨全体が上昇を続けましたが、12月下旬にビットコイン価格が過去最大の暴落を記録しています。

スウェーデンの強制執行機関がビットコインを債務返済手段として受け入れましたが、今後仮想通貨価格の暴落が続いてしまうと、納められたビットコインの価値が下落して損失が発生するリスクを抱えることになります。

今回は納められたビットコインを良いタイミングでオークションにかけたため、問題なく債務返済処理が行われましたが、今後どのように手続きしていくかについては検討がなされる予定になっています。

 

キャッシュレス社会を追求する国スウェーデン

過去の記事「現金不要の国スウェーデンで中央銀行が仮想通貨発行を検討中?」でもお伝えしましたが、スウェーデンはキャッシュレス社会を追求している国です。

 

 

スウェーデンの中央銀行であるリスクバンクが法定仮想通貨の検証を行っており、2018年中に結果を公表する予定になっています。

スウェーデンがキャッシュレス社会を目指す背景には、国民の所得把握と脱税の防止が背景にあると考えられています。

現金取引については政府が内容を把握することが難しいですが、銀行振込やクレジットカード決済の場合、履歴を確認することができます。

今回スウェーデンの強制執行機関がビットコインを債務返済手段として取り入れたのは、少ない労力で税金徴収を行い、強制執行で必要となる人件費や諸経費を抑制する意図があると言われています。

ICO企業の中には、利用者が仮想通貨を貸し出して、法定通貨を借り入れることが可能なサービスを提供するところが出てきています。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は単なる決済手段を乗り越え、信用創造や債務返済方法として認知され、民間企業だけではなくスウェーデンの強制執行機関という政府機関が活用し始めたことになります。

ただ、ビットコインなどの仮想通貨取引については、マネーロンダリングなどの問題が従前から指摘されており、債務返済手続きとして仮想通貨を利用する動きがスウェーデン以外の国にも拡大するかは不透明な状況です。

次回は、中国で流通する偽物商品を撲滅しようとしているシンガポールのICO企業を紹介します。

知的財産権の軽視が社会問題になっている中国において、ブロックチェーン技術を経由して偽物商品をなくそうとしている取り組みについて、詳しく解説する予定です。

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